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第3話・まさかの… その6

last update آخر تحديث: 2025-04-24 20:00:53

「こんばんは、羽鳥さん」

 私に挨拶をしてくれた彼は、羽鳥聖也君のお父さんだ。コックの恰好をしてマスクを着けていたが、聖也君によく似た大きな瞳が特徴的なので、すぐにわかった。

 そう言えば羽鳥恵里菜さんが『うちの夫は蓮見リゾートの料理長をしている』と自慢していたっけ。

「こちらにお勤めだったのですね」

「はい。以前は別の店舗勤務でしたが、このホテルが新規オープンしたので呼ばれたのです。いい食材をふんだんに使っているので贅沢なバイキングですから、先生もご堪能いただけると思います。デザートも美味しいですよ」

「はい、ありがとうございます」

 こんなところで知り合いにあうなんて。しかもTakaさんの連れと思われるの嫌だなぁ。全部で四組しかいないから、絶対見られてるよね。

「聖也がいつも清川先生を褒めていますよ。幼稚園も楽しいと言っています。これからもよろしくお願いします」

「はい、こちらこそ」

「清川先生にお礼が言いたくて、お食事中につい声を掛けてしまいました。申し訳ございません。ごゆっくりどうぞ」

 モンペと揶揄される彼女の伴侶とは思えないくらい丁寧な人だ。レストラン勤務の料理長ともなれば、忙しいのだろう。昨今の幼稚園参観や行事参加は、夫婦揃って来ることが増えている。しかし聖也君は殆どが母親の恵里菜さんだけの参加だった。

 稀に夫婦で参加する時は借りてきた猫のように大人しいことから、恵里菜さんの本性を彼が知らない可能性がある。

 今度の七夕まつりは夫婦揃って参加して欲しいな。恵里菜さん、きっと大人しいだろうから。

「声をかけてくださってありがとうございます。お仕事頑張って下さい」

 当たり障りない言葉をチョイスし、会釈してデザートコーナーへ向かった。料理はもういいや。食べるのしんどい。

 専用のコーナーには色とりどりのデザートが並んでいた。どれも生の果物を使っていて、贅沢なスイーツに仕上げたものがずらりとこの空間を彩どっている。まるで宝石のよう。

 撮影可能と書いてあったので、折角だからとスマートフォンで写真に収めた。どの
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